文章力より構成が先
英語のメールが難しく感じられるのは、たいてい単語や文法のせいではなく、何をどの順番で書けばよいかわからないからです。仕事のメールを受け取る人は一日に何十通も目を通すので、最初の二、三行で、なぜこのメールが来たのか、自分は何をすればよいのかがわかる必要があります。日本語のメールのように前置きや経緯を長く書いてから最後に用件を出すと、相手は依頼を見落としたり返信を後回しにしたりしがちです。あいさつ、用件の一文、必要な説明、具体的な依頼、結びの五つのまとまりを守れば、多少表現がぎこちなくても十分に伝わります。
件名は内容の要約
件名は、受信箱で開くかどうかを決める唯一の手がかりです。「お問い合わせ」や「こんにちは」のような漠然とした件名は、あとで検索しても見つけにくくなります。何についてのメールか、必要な行動、期限が件名に入っているのが理想です。
- 話題と必要な行動を一緒に入れる
- 期限があれば日付を件名に書く
- あいさつだけで件名を埋めない
- 返信の途中で話題が変わったら件名も直す
あいさつと最初の段落
初めて連絡する相手には敬称と姓で呼びかけ、すでに名前で呼び合う間柄なら名前だけでかまいません。相手が署名や返信で自分をどう名乗っているかが、いちばん確かな目安です。最初の段落には、自分が誰かを一行、メールを書く目的を一行置きます。紹介を受けて連絡したのなら、誰の紹介かを書くと信頼につながります。形式的なあいさつ文は一行で十分で、省いても失礼にはなりません。相手の性別や肩書きに確信が持てないときは、推測で書くより氏名をそのまま書くほうが安全です。
頼むときの言い方
英語の仕事のメールでは、命令形の文は思った以上にぶっきらぼうに読まれます。同じ依頼でも、してもらえるかどうかを尋ねる質問の形や、していただけるとありがたいという表現に変えるとずっと柔らかくなります。反対に、謝りすぎたり遠回しにしすぎたりすると何を求めているのかがぼやけるので、依頼の中身ははっきり書きます。なぜそれが必要なのかを一行添えると、相手が優先順位を判断しやすくなります。
- 命令形ではなく、できるかどうかを尋ねる形にする
- 依頼一つに期限を一つ付ける
- 依頼が複数あるなら番号付きの箇条書きにする
- 謝罪の言葉は本当に謝るべきときだけ使う
日付・時刻・数字は誤解なく
数字だけの日付は、国によって月と日の順番が違うので誤解を生みやすくなります。3と4を並べると3月4日とも4月3日とも読めるため、月は英語の名前で書くほうが安全です。海外の相手と予定を決めるときは、時刻のあとにどの地域の時間かを必ず添えます。金額には通貨の単位を付け、大きな数字は三桁ごとにコンマで区切ります。会議の日時を決めるときは、候補を二つか三つ示して選んでもらうと、メールの往復がぐっと減ります。
結びと署名
本文の最後には、次に何が起こるかを一文でまとめます。返信を待っているという一言や、質問があれば連絡してほしいという一言が代表的です。そのあとに短い結びのあいさつと名前を書きます。署名には名前、肩書き、所属、連絡先程度を入れ、飾りすぎないようにします。同じ相手と何度もやり取りするうちに、結びのあいさつをだんだん短くしていくのは自然なことです。
送る前の確認
書き終えたら、送る前に一度声に出して読んでみます。スペルチェックは綴りの誤りは拾っても、相手の名前の綴りや日付の間違いまでは拾いません。大事なメールならすぐに送らず、少し置いてから読み返すと、見落としに気づけます。
- 相手の名前と敬称の綴りは合っているか
- 本文で触れた添付ファイルが実際に付いているか
- 日付・曜日・時間帯が互いに合っているか
- 宛先と写しの相手は正しいか
返信とフォローアップ
返信を書くときは、相手の質問に一つずつ順番に答えます。質問が複数あったなら、相手の文を短く引用するか番号をそろえて答えると混乱しません。すぐに答えにくい内容なら、受け取ったことと、いつまでに返事をするかの見通しだけを先に伝えても信頼につながります。送ったメールに返事がないときは、数日待ってから元のメールに続けて短く問い合わせます。催促する口調より、見落とされたかもしれないので改めて送るという書き方にすると、相手も気負わずに返せます。
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